神社に行けば、石造物としては、鳥居や灯篭が見られますが、この他に、狛犬もよく見かけます。全国的には、「日本参道狛犬研究会」というのもあり、ファンも多く、会報も隔月に出されています。
これは、熊野神社(佐々町)のものですが、一般的に参道に置かれ、参道狛犬ともいわれますが、獅子狛犬とも呼ばれています。狛犬の中でも、肥前狛犬は佐賀県を中心に長崎、福岡県にもいくらかありますので、紹介していきます。
肥前と名が付く石造物は肥前鳥居と肥前狛犬だけです。これらの石像物を造ったのは、現在の佐賀県小城市砥川(とがわ)の石工集団です。時代としては安土桃山~江戸時代中期までの、160年間と言われています。
長崎県では、数が少なく、普通の人が見ることもなく、肥前狛犬との認識がありません。佐賀県には「肥前狛犬を学ぶ会」という団体もあります。早速この会に入会して勉強を始めました。
1.住吉神社(松浦市鷹島)
元寇の島、石の島、そしてホークスアイランド。この島には、やはり肥前狛犬もいました。由緒ある住吉神社です。
本殿の奥の神殿を守るように、右側に3体、左に2体、小さいものです。それぞれを見ますと、右側の小さい方から
こちらの石は、鷹島産の玄武岩かも知れません。これらの5体はコンクリートで固定されています。海岸からあまり離れていないので、風で飛ばされて壊れないためか、最近肥前狛犬が盗まれることがあるので、その予防でしょうか。
いずれも独特の風貌をしており、肥前狛犬は同じものはないといわれています。鼻の孔に土ハチが巣を作っているのもユーモラスです。普通、狛犬は1対2体で奉納されていますが、ここに5体あるのは、昔は3対6体だったのかも知れません。境内には昔の本殿、神殿も残されていて、移転に際して移されたときに、このような配置になったのでしょうが、本来は、1対のものを左右に向き合わせたものです。
次回は調川の肥前狛犬です。
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