2016年4月4日月曜日

23.亀扶(3/5)雄香寺墓地

雄香寺の墓地(平戸市大久保町)
 雄香寺は元禄8年(1695)平戸藩第5代藩主棟公の時整備されています。その墓地には、歴代藩主の墓(全てではない)が多く在ります。その中でも中心に大きくて立派な墓が第4代藩主鎮信天詳公の墓です。
 灯篭も数多くありますが、墓のすぐ左脇に亀扶があります。
 供養塔でしょうか、亀の像も丁寧に刻まれています。笠の部分には獅子の像でしょうか、竿は八角柱です。「史都平戸」によると、鎮信天詳公の墓は江戸の天詳寺にありますが、平戸にあるのはいわゆる「遥拝墓」なのかも知れません。天詳寺という寺の名前からすると鎮信公ゆかりの寺ということになります。現在もこの寺は東京にあり、松浦史料博物館の学芸員がここを訪ねたら門前払い食らったと話していました。
 平戸藩の藩主が亡くなったのはほとんどが江戸ですから、この天詳寺が平戸藩の菩提寺だったのです。ところが大正12年の関東大震災で、墓地も被害を受け、昭和3年にかなりの藩主の墓が平戸雄香寺へ改葬されています。「甲子夜話」の随筆で有名な第9代藩主の清公の墓も雄香寺墓地の歴代藩主の右隅にあります。ところが、鎮信公の墓だけは改葬されていないとのことです。
 もっとも、第5代藩主棟(雄香)公の墓だけは、墓地ではなく本殿の中にあり、一般には見ることができません。見た人の話では屋内にあるので全く痛んでなくきれいな石塔だそうです。

次回は平戸勝尾岳白狐山城跡の亀扶です




        


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