2018年12月24日月曜日

165.大牟田市教楽来天満宮の石造り狛犬

大牟田市教楽来天満宮の石造り狛犬
 教楽来(きょうらぎ)天満宮ですから、天満宮が3か所続きました。大牟田といっても荒尾に近い山の中のさびしい所でした。階段を上った山門は昔は立派なものだっただろうと思わせるたたずまいで、石造り狛犬1対の外に、藤原道真公の木像も古いものが安置されていましたが、最近この神社を訪れる人はあまりないようです。本殿前の広場はイノシシのぬた場みたいで、荒れたままになっていました。
 石造り狛犬は山門のところの格子戸の中に収められていたので、薄暗く、写真を撮るのに苦労しました。

















 説明板によると、この狛犬は奉納者が「藤原秀行」と記され、室町時代1460年代と思われるものですから、九州では最も古い石造り狛犬ではないでしょうか。  
 上杉千郷著「日本全国 獅子・狛犬 ものがたり」の中に京都丹後一の宮、籠(この)神社の石造り狛犬が掲載されていて、教楽木の狛犬と酷似しているので、コピーします。

 私が撮った写真は全体像がはっきりしませんが、ネットで調べたらよく写った写真があったので、紹介します。


 京都のものは、ア像の口が大きく開き、ア・ウンの違いがはっきりしますが、教楽木天満宮のものは、ア・ウンがはっきりしませんが、両者はよく似ていますね。京都の狛犬は鎌倉時代の作(年代不明)で、重要文化財に指定されています。
 上杉さんの本では、石造り狛犬としては、奈良東大寺の狛犬が最も古いものだそうですが、これは中国石を使い中国人によって刻まれたものだそうです。その後、これをモデルとして日本に石造り狛犬が広まっていき、最初の頃は、中国風だったけど、日本風な狛犬の最初のものは、京都の籠神社のものであると書かれています。
 私の感じとしては、京都の狛犬を刻んだ人を、京都から来た藤原一族が連れてきて、刻ませたのではなかろうかと思いましたが、少し時代が合わないようです。しかし、京都の籠神社の狛犬を見たことがある人が彫ったのは確かだろうと思います。

次回は瓦製の狛犬です







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